qsokuの日記

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筋トレは体を壊す?

私は普段、肩凝り腰痛がありません。

凄く無理をするとやはり肩凝り腰痛になることもありますが、長くて数日、早ければ半日もあれば調子がよくなります。

 

私はトレーニングを25年以上続けていますが、最近やっているトレーニングは筋トレというか一人稽古というか、運動というかよくわかりません。

 

武術を習いはじめて10年ほど経ちますが、身体感覚が全く変わりました。

その事と関係しています。

 

10代の頃は筋肉もなく貧弱な体つきでした。それを変えようと筋トレに励みました。

20代の頃、肉体労働していたときはぎっくり腰になったことから体の使い方に気を付けるようになりました。

筋トレの感覚で肉体労働をすると、確実に体を壊します。(筋トレの感覚は皆ほとんど同じだと思います)

30代で武術を習いはじめてわかったことがあります。

少しは力がついていると思っていたのですが、上には上がいるもので私の体格では全く通用しない力持ちだらけの世界でした。

しかし、その武術の技術は、筋トレの時に筋肉を通る電気信号とは全く違うタイプの電気信号で体を動かす感じで対格差を埋めて力の差を無くすことができます。

 

これは、言葉では表現しがたい。通常教わる運動とは全く違う身体感覚です。

特に、西洋的で合理的な筋トレが主流の現代人には気づけないからだの感覚です。

 

武術が上手になりたいと、習いはじめの頃には筋トレをしていました。

しかし必ず、筋トレ後の稽古では技の切れが無くなります。武術が下手になります。

不思議でした。

筋肉の連動、合理的に体を動かす場合に主となり働く筋肉を分析してその筋肉を鍛えるのですが、パワーアップしていきません。逆に力でねじ伏せられてしまいます。

格闘技的な体の使い方とは全く違う体の使い方があると痛感しました。

身体感覚が違う。

しかし、筋トレ以外でどう磨くかがわからない。

 

そんな頃、達人に一番近いといわれる先輩から一人稽古でどんなことをしているかと、そこで得た身体感覚を教えてもらいました。

 

身体感覚は、何となくイメージできますが聞くとやるとでは全く違います。

聞いただけでは体現できません。

そこで、先輩の真似をして一人稽古をすることにしました。

 

腕立て、腹筋背筋運動、スクワット。ダンベル運動。

筋トレになることは止めました。

その代わりに行った一人稽古が、

四股踏み1000回

木刀の素振り1000回

です。

毎日毎日行いました。

最初は筋トレの感覚が抜けませんから、主要となる筋肉が痛くなるし疲れが早いです。そのとき感じていたのは、きっと先輩はこういうからだの使い方をしていないんじゃないかということでした。何かが違う。

筋力アップとか、体力アップとかではない目的が一人稽古にはあるはずだと思いました。

武術のことを掘り下げて考えてみました。武術を極めれば戦わずに負けない道を歩むことになるのでしょうが、まだまだその段階にはありません。武術も最初はただの人殺しの行為です。如何に自分が死なないか?を探る道から生まれた技術です。

もし、今ここで命の駆け引きが始まったなら、今から筋トレしても、今から体力作りをしても遅いわけです。

 

今の体格のまま、今ある体力、今ある筋力を総動員して動き続けなければ生き延びることができないはずです。

 

これに気づいたときから、体の使い方が筋トレとは全く変わりました。

 

未来のためにあるのが筋トレです。

一人稽古は今生き延びるための練習です。今の体格のまま、今ある体力、今ある筋力で如何に上手に体を動かし続けるかの練習です。

体の動かし方の工夫をすれば、四股踏み1000回も木刀の素振り1000回もできるものです。

とにかく、その数をこなすためには、できるだけ力を使わないように体を動かす必要が出てきます。

筋トレは、筋力を強くするためにできるだけ多くの力を使います。体力を増やすために追い込みます。1時間ほどでも筋トレで追い込んだあとはいつものように動けなくなります。

これでは隙ができてしまい、殺されてしまいます。

そう考えると、絶対にこういう感じで体を鍛えてはいないと思えるわけです。

では、なるべく力を使わずに四股踏み1000回、木刀の素振り1000回やっていても何も変わらないかといえばそんなことはありません。

足腰の軽さ、全身の統一感、楽に体が動かせる感覚。そして見た目でも腕が一回り太くなります。筋トレで鍛えた感じとは少し違います。私の場合は木刀を素振るだけに必要な筋肉がつきました。

そう考えると、一人稽古も筋トレと言ってもいいかもしれません。

 

一番の驚きは、合理的に筋肉を鍛える筋トレですが、いざ、その体を動かすときに最も合理的な動かし方から外れてしまうことです。

 

はじめて自転車に乗ったときは、あれこれと考えてもうまく乗れなかったと思います。これが筋トレに似ていて、使う筋肉を意識して鍛える筋トレの感覚が無意識に刷り込まれてしまうと、無意識にできる自然で最も合理的な動作から外れた動きになってしまいます。

 

自転車に乗れるようになると、無意識に転ばないようにバランスがとれています。

目的に沿って自然に合理的に体を動かせています。こういう感覚を磨く練習が一人稽古です。

 

筋トレで体を鍛えることは反対しません。私も筋トレしてきた身ですからそのいい部分もたくさん知っています。

ただし、筋トレの感覚のまま日常動作をする癖がつくと一ヶ所の筋肉を使いすぎて肩凝り腰痛になりやすくなる可能性もあります。

運動後のストレッチが有効なのは、筋トレで緊張させ過ぎた筋肉を伸ばしてリセットをかけること以外にも、日常動作に筋トレの感覚を持ち込まないようにすることがあります。

筋トレ後はストレッチして、緊張と感覚をリセットすること。

それでも更に、日常動作に筋トレの感覚を持ち込まないこと。に注意が必要です。

これができればいくら筋トレしても体を壊すことはありません。

 

ちなみに、今私は

なるべく全身を動かすスクワット300回

なるべく全身を使って行う腕立て伏せ100回

木刀の素振り500回~1000回を

週3回くらいのペースでやっています。

四股踏みは気が向いたときに少しだけ。気が変わればまた毎日やるかもしれません。

他はスワイショウ約1000回を毎日、気功の型は疲れが残っているときなどにやったりしています。

 

できるだけ楽に体を動かすための練習として運動をしています。

そのため、凄く無理なことをしない限り肩凝り腰痛はありません。