qsokuの日記

役立ちそうなこと、楽しいこと、気になったこととか書いてます。

先生のアドバイスが正しいとは限らない。なぜ痛いのかと何のために痛いのか。

こんにちは。

 

昨日、出張施術に行った時のお客さんとの会話の内容が驚きだったので

「この話、ブログに書きます。」と考える前に口から出てました。

(私、整体家です。)

その方は、今は膝の痛みは無く過ごしています。(18日の記事の方です)

 

膝が痛くて半年ほど通院しながら過ごしていた時期の話だったのですが、

「安静にしていてください。」っていうアドバイスだけじゃなかったようで、

その時の先生のアドバイスは、

「これ以上、膝が悪くならないように膝は曲げないように過ごすように。」

だったそうです。

 

 膝の痛みが酷くなる以前に何度か施術をしていて。その時は、

右肩が痛くてバンザイできない状態でした。膝の痛みがありましたが、数回の施術で

肩の痛みは無くなり、膝の痛みは少し残るものの正座ができる程度には調整できて

いました。

 

普段の体の使い方、膝を曲げる時の注意点を伝えて終了しました。

 

何か問題があれば、連絡がくるはず・・と、思っていたのですが、

お孫さんの子守で抱っこをしたり、犬の散歩で膝が痛くなったため近くの先生に

診てもらっていました。

 

 

その先生のアドバイスが、

「これ以上、膝が悪くならないように膝は曲げないように過ごすように。」

だったのです。さらに、

「棒のように脚をまっすぐ伸ばして過ごすように。」

とも、言われたようでした。

 

この言われ方だと、膝を伸ばす太ももの前側の筋肉が縮みっぱなしになります。

真面目なその方は、一生懸命、悪くしないように膝を伸ばして過ごしていました。

 

ちょっとマニアックな話になりますが、太ももの前の筋肉は膝を伸ばすため縮みますが

日常生活での働きは、膝を曲げながら体重を支えることが圧倒的に多いのです。

イメージしにくいかもしれませんが、筋肉が伸ばされながら縮む力を出しているのが

日常の動作、働きなのです。ただ膝を伸ばすためだけに働くことは少ないのです。

 

変なアドバイスをされたものだ。

片足伸ばして歩くことで、どれだけ腰に負担がかかるかわかっていないのだろうか?

数か月宇宙で過ごした宇宙飛行士の骨が筋肉に吸収されてしまうことを

知らないのだろうか?

損傷で構造が変われば、機能も変わるのを知っていても、

機能を変えたら、構造が変化してしまうことを知らないのだろうか?

肩が痛くて腕を上げなくなった人の腕を上げる筋肉が脂肪組織に変わることを

知らないのだろうか?

バンザイしなくなったらバンザイができなくなることを知らないのだろうか?

曲げなくなった膝は、いづれ曲がらなくなってしまうことを知らないのだろうか?

 

腰と肩が辛くなって私の施術を受けてくれることになった時には、以前の膝の可動域は

失われていました。

「膝をかばっているのに、どんどん悪くなっていて・・・」

そりゃぁそうでしょうよ。かわいそうに。

「これ以上悪くなったら手術しかないと言われているし、孫がもうじき増えるから

息子にはそれまでに手術して治してくれって言われるし・・・孫の子守をしてほしい

のはわかるんだけどさ。手術して良くなる保証もないじゃない。いやになっちゃう。」

「手術か。。。」

私は、整体家ですから診断も治療もできません。

整体ってのは、治る体に直すことですから、体と心が元気を出せるようにするまでが

仕事で体と心を治すのは本人の力に頼っているわけです。

治療をすると言えるお医者さんと比べたら知識は劣るでしょう。

でも、こちらも手の感覚でいろいろな体の情報を感じ取る術を持っています。

膝が痛くなく過ごせる保証はできないまでも、楽に過ごせる希望は見せたい。

 

本当に手術は必要なのか?

手術をしなければならないほどの状態になっているのか?

 

施術が終わり、膝も楽になった様子を見て安心しました。

正座はまだちゃんとできませんが、アドバイスをしてその日の施術は終了しました。

 

施術が終わると、お茶を出していただきました。

治療とか治すとか言ってはダメなんですが、

考えていることと思いを正直に言わないと気が済まなくなっていました。

何とかしたいし、何とかできると思う。

正確じゃないけど、こんな内容を話しました。

「今日の施術後の膝の様子を見る限りでは、手術は必要ないと思います。」

「ほんと!?」

「わかりません。レントゲンも見てないですし、実際切れかかってる筋がなにかも

確認できません。僕の施術を受けた後、楽になっている事実があるから、膝を動かせる

範囲でしっかり使った方がいいです!」

「そうかも」

「僕の施術は運動をしたのと似た刺激が体に入ります。その刺激が入って楽になって

いるので無理のない範囲で膝を動かしながら過ごして様子を見ましょう。

痛みが無く階段の上り下りもできているから、手術を考えるのは経過を見てからでも

遅くないです。」

「そうしてみます」

「ただ、完全に痛みが無くなるには時間はかかるかもしれません。」

「大丈夫です」

一週間時間を空けて次の施術の時に様子をうかがいました。

階段の上り下りが辛くなっていました。でも、前回までの痛みは戻っていません。

 

痛みについても話をしました。

もし、痛い感覚がなくなってしまったら、間違えた体の使い方に気が付かづ、

すぐに体を壊してしまうでしょう。

だから、痛みは必要な感覚だし、それ自体が悪いものではありません。

なぜ痛いのかを探れば間違えた体の使い方、無意識に行ってしまう癖が見つかります。

何のために痛いかを探れば、自分を守るためそれ以上動かさないでというメッセージ

がみつかります。

それ以内であれば、動かしても大丈夫というメッセージでもあると思うのです。

 

週一回、地域で行う高齢者が参加している体操をする集まりがあって、

以前参加していた話をきいたので、もう一度参加してもらうことにしました。

 

半年間、脚を曲げずに棒のようにして過ごしていたたため、

太ももの筋肉は日常の働きができずにいたため細くなっていました。

 

これは、見過ごせません。

 

膝の異常は、足首、股関節の問題などから発生し、膝を曲げる動作に悪い癖がつくと

膝が壊れないように、膝に痛みが発生します。

足首と股関節をいい状態にして、悪い癖を無くせばほとんどの膝痛は無くなります。

でも、太ももの筋肉の機能が落ちたままでは、正しい動きができないのです。

 

体操をする集まりはで行う内容は、軽い筋トレ、

ゆっくりした動きで組み立てられていました。

日常動作に少し負荷を加えた程度の運動です。

 

運動で少し無理をすると、膝に水がたまったような浮腫みがでますが、

施術で筋肉をほぐすとその場でスッキリしました。

 

左右の太ももの筋肉が揃った頃、朝も昼も夜も階段の上り下りで膝が痛くなることは

無くなり、日常動作での膝の痛みは完全に無くなりました。

 

正座は施術後すぐなら痛みなくできますが、正座のままで数分経つと痛みがでます。

 

それでも、施術結果に納得していただけ、手術しないで膝の痛みが無く

過ごせるようになったことを喜んでくれています。

 

今では、月に一度定期的な施術を受けてくれていますが、その度、真っ先に

膝の様子をうかがってしまいます。

「痛かったのがウソのよう」

 

痛くならない状態までになった時、車の運転をしながらの帰り道

いやになっちゃうと言っていたあの気持ちが今は大丈夫と前向きになっていること

手術をしなくても膝の痛みが無く過ごせていること

辛かっただろうこれまでのことが浮かんできて、

大丈夫だと言える今に至れたんだと安心したら、涙が流れていました。

 

本当に、よかった。

アドバイスする側は細心の注意とちゃんと経過観察をしないとダメです。

アドバイスを受けても、鵜呑みにせずに自分に合っているかの見極めをして

無理はしないことです。

 

読んでいただき ありがとうございます